QUESTION
現在の円相場の水準は、海外投資の為替リスクをヘッジした方が有利でしょうか?不利でしょうか?
ANSWER
わからない
「日本の長期債の格付けは?」の解説では円建て資産だけに頼らず、海外株式などに資産を分散させてポートフォリオを組み立てることの重要性を紹介しました。しかし国際分散投資には、必ず考えなければならないことがあります。それが「為替リスク」です。外国通貨での株式取引や外貨建て金融商品への投資においては、為替レートの変動で円建て元本が目減りする可能性があります。例えば、1ドル110円の為替レートで外貨建て商品を1万ドル分(円換算110万円)購入し、売却時に外貨建て元本が1万ドルのままであっても、為替レートが1ドル120円の円安になっていれば、円建てに換算時に元本は120万円に増えます。逆に円高になれば円建て換算時に元本が減って損失が生じてしまいます。そのリスクを避けるための手段が、「為替ヘッジ」です。
ヘッジとは「回避する」という意味で、「為替ヘッジ」とは外貨建て資産への投資で為替の変動リスクを避けるため「将来の為替レートを予約する」手法です。これにより、円高になっても為替差損の発生を避けることができるのです。しかしその一方で、円安になった時に為替差益を得られないデメリットがあり、ヘッジコストという手数料もかかります。通常、ヘッジコストはヘッジ対象の通貨国と日本との金利差で決まってきますが、投資先の金利が高いほど高くなります。
では、為替ヘッジの結果を近年のデータを見てみましょう。円建て米国株投資のヘッジあり・なしと、現地での米ドル通貨投資のリターンを比較したグラフです。
米ドル建て、円建て(ヘッジ付き・ヘッジなし)で投資した場合の米国株のリターン(1996年12月-2007年6月)
出所:Datastream, Bloomberg, UBS WMR (2007年6月29日時点)

ここ数年間円安が進んだことによる為替差益で、ヘッジなしの円建て米国株投資が米国現地市場のリターンを上回っています。また、各市場の株式、債券市場にヘッジあり・なしで円建て投資をした場合の表がこちらです。
円建て投資の場合の過去のデータに基づくリスク、リターン
| 投資の種類 | ヘッジなし(%) | ヘッジあり(%) | |
|---|---|---|---|
| USD株式 | リターン | 8.6 | 4.3 |
| リスク | 18.2 | 15.5 | |
| USD債券 | リターン | 6.4 | 2.2 |
| リスク | 11.6 | 4.8 | |
| EUR株式 | リターン | 12.0 | 8.1 |
| リスク | 21.8 | 19.7 | |
| EUR債券 | リターン | 6.0 | 2.3 |
| リスク | 12.3 | 3.2 | |
| GBP株式 | リターン | 9.1 | 2.0 |
| リスク | 15.8 | 13.7 | |
| GBP債券 | リターン | 8.7 | 1.7 |
| リスク | 12.1 | 4.4 | |
| CHF株式 | リターン | 11.8 | 9.1 |
| リスク | 18.2 | 17.3 | |
| CHF債券 | リターン | 4.6 | 2.0 |
| リスク | 11.8 | 2.4 | |
1996年12月 - 2006年12月までの月次データを使用
出所:Datastream, Bloomberg, UBS WMR(2007年6月29日時点)
投資元本に対し、収益の総額が上昇した場合のリターン、リターンとマイナスリターンの振れ幅を示すリスクを見ると、ヘッジありはリスクを抑えられた一方で、リターンの点ではヘッジなしの方が断然有利になりました。
円相場は様々な要素が複雑に絡み合い、変動していきます。投資期間は短期なのか、長期なのか。どの程度リスクを許容し、どれくらいリターンを狙うのか…。「為替ヘッジ」は、ポートフォリオ戦略に基づいて考えていく必要があります。国際分散投資には、個別のニーズに合わせて「為替との向き合い方」をタイムリーにアドバイスしてくれるパートナーが必要なのです。
(2007年10月~11月時点での情報です)
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