QUESTION
1990年からの16年間で、世界の「ヘッジファンド市場」は何倍になったでしょう?
ANSWER
約30倍
10年振りに改訂された「広辞苑」(岩波書店)にも新採録語として選ばれた「ヘッジファンド」。日本で話題になることも増え、国内金融機関(銀行、保険会社、証券会社、投資信託委託業者等)1,252機関のうち348社が「ヘッジファンドを保有している」と回答するなど、日本の機関投資家による投資も増加しています。そもそも、ヘッジファンドとは何なのでしょう?
ヘッジファンドは米国で生まれた私的な投資組合の一種であり、個人富裕層や機関投資家から資金を集めて運用を行っています。その運用手法は株式や債券、為替といった伝統的投資とは異なるオルタナティブ投資。伝統的投資が「市場に対してどれだけプラスか=相対的リターン」で運用成果を計るのに対し、オルタナティブ投資は相場の上昇や下落に関わらず、「常にプラスを得る絶対的リターン」を目指します。
国内の348の金融機関が約7.4兆円のヘッジファンドを保有
国内金融機関の業態別投資残高割合
出所:金融庁(2006年3月末時点)

ヘッジファンドの起源は、1949年に米国のAWジョーンズが考案した手法にあると言われています。その戦略は株式市場で値上がりが期待できるA社株を買い持ち(ロング)しながら、同時に値下がりが予想されるB社株を第三者から借りて空売り(ショート)するというもの。例えば、市場でB社株を1000円で売り、株価が下がった時点で売却数と同量の株を900円で買って貸し主に返却すれば、差額の100円が投資家の利益になります。このように株価の値上がりだけでなく、空売りした銘柄の値下がりからも利益を得られれば市場リスクの影響を回避できます。資産の保全よりも利益に重点をおく傾向が強いと思われがちですが、ヘッジという言葉に「経済的な損失の保護」の意味があるように、ヘッジファンドは本来ハイリスク、ハイリターンとは全く逆の性格を持っていたのです。
近年では投資対象が株価指数先物、債券先物、商品先物、通貨等に広がり、投資戦略も多彩になりました。これにより、世界のヘッジファンド市場は目覚しい成長を見せています。1990年に389.1億ドルに過ぎなかった運用資産規模は2006年に約1兆2000億ドルとなり、16年間で30倍以上に拡大。今年には日本円換算で200兆円の大台を突破したというニュースもありました(※1)。東京証券取引所の株式時価総額525.5兆円(※2)と比べてもその規模が分かるでしょう。
世界のヘッジファンドの運用資産規模
出所:米ヘッジファンドリサーチ社(2006年は1~3月期)

ヘッジファンドのパートナーとなるのが、貸株業務やレバレッジ(運用資金の融資)を提供するプライム・ブローカーです。なかでも重要なのが空売りの際の株式調達力であり、世界各国のカストディアン(有価証券の保管金融機関)やインデックス運用機関へのアクセス能力です。世界115もの証券取引所への加入をはじめ、各国市場を網の目に張り巡らせたネットワークを活かし、UBSはヘッジファンドをサポートしています。
※1 出典:ブルームバーグ
※2 出典:東京証券取引所(平成19年9月28日時点)
(2007年10月~11月時点での情報です)
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