
UBSグローバル・アセット・マネジメント
債券グループ シニアポートフォリオ・マネジャー
ディレクター 浅野 孝氏
(インタビュー実施:2007年12月)
2008年の春以降、国内金利の上昇が予想される中、円債運用は転機を迎えつつある。この円債運用を担当し、日本経済・金利分析のスペシャリストでもある債券グループのシニアポートフォリオ・マネジャー、浅野孝氏に、サブプライムローン問題の今後の見通しをはじめ、円債運用における投資チャンス、UBSの優位性、戦略開発などについて語ってもらった。
はじめに、サブプライムローン問題について、専門家の立場から私の見方を紹介したいと思います。
今回のサブプライム問題は、投資した資金が回収できない、流動性のあるものに換えられないという流動性危機といえます。実は、こうした流動性危機は米国を中心に世界で5年に一度くらい起きています。過去に何があったかというと、87年10月のブラックマンデー、92-93年には米国貯蓄投資組合(S&L)の破綻、97-98年にはアジア通貨危機に端を発したロシア経済危機、ヘッジファンドのLTCMの破綻、そして2002年にはエンロンが破綻、MMFの元本割れがありました。
そもそもサブライムローンとは、米国の信用力の低い個人向け住宅融資です。日本の「ゆとり返済」のように、最初の数年は金利が非常に低く抑えられていますが、2-3年後のある時期に金利が大幅に上がります。このため、金利が上がったときに返済できないという状況に陥ってしまうわけです。いま問題になっているのは2004-2005年に貸出が行われたもの。そして、2007年の10-12月と2008年1-3月にも返済不能に陥る可能性が高い集団が控えています。
これが国内景気にどの程度の影響を及ぼすかを考えてみましょう。まず、日本の金融機関がサブプライムローンのABS(資産担保証券)によって大きな損失を被り、90年代と同じような不況に陥る可能性ですが、これは極めて低いと考えています。なぜかと申し上げますと、日本の金融機関はABSにあまり投資をしておらず、また投資していても90年代の不良債権処理の教訓から早い段階でロスカットしたところが多いからです。
次に、米国の金融機関の経営状況が悪化し、住宅市場の低迷が消費に波及して米国の景気が悪くなるというシナリオはどうでしょうか。当然、そうなれば円高になりやすく、日本の景気低迷を招く可能性が高くなります。しかし、結論をいうと、米国の景気がそこまで悪くなる可能性は低いものと考えています。
その理由は、サブプライムローンによって破綻した消費者は米国全体から見れば、ごく一部で、消費に与える影響は限定的だと考えるからです。米国の景気はスローダウンしているものの、本当に景気の悪かった90年代から2000年前半の状況とは異なる、と考えます。
では、米国政府は何を懸念しているかというと、金融システム危機や景気の悪化ではなく、来年1-3月に予想されるサブプライムローンの破綻集団をどう救済するかということ。借入れの代替手段をどうするかがいま議論されているのです。この点がクリアされると、おそらくサブプライム問題は終結していくと考えます。
サブプライム問題による日本の景気に与える影響は、いまはむしろ過大評価されている印象を受けます。その表れともいえるのが10年国債の利回りです。6月20日頃の10年国債利回りは2%弱でしたが、11月下旬現在1.4%割れまで低下しています。これは、日銀のゼロ金利政策解除後、最低の水準です。
この背景には、サブプライム問題に対する懸念から安全性の高い国債にシフトしているという投資行動があります。しかし、これはちょっと冷静さを欠いた投資行動といえるでしょう。仮にサブプライム問題が来年前半の早い段階で解決すると、思いのほか早く金利上昇に転じる可能性が高いからです。
10年国債利回りの1.4%割れは6カ月後、1年後を視野に入れると明らかに低すぎます。来年夏に2%、1年後には3%くらいまで上がってもまったくおかしくないと思われます。
日銀は、いまは利上げできませんが、日本の低すぎる金利を正常化させなくてはいけないという意識は持っています。短期金利を現在の0.5%から1年後には1.5-2%までもっていきたいと考えていているのではないでしょうか。こうした日銀の意図からも、10年国債の利回りが1年後には3%くらいまで上昇する可能性があるということを過小評価するのは危険と考えます。現在は、まさに弓がギリギリまで絞られ、いつ矢が放たれてもいい状況といえます。
いまは、米系証券の11月決算、欧州金融機関の12月決算、そして1-3月の新たなサブプライムローン破綻予備軍の動向を見据えつつ、その先の金利上昇に備えるポジションを考えなくてはいけない時期なのではと考えています。
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債券等への投資に係るリスクについて
債券等への投資に係わる主なリスクは次のとおりです。
■債券投資のリスク(価格変動リスク・信用リスク・流動性リスク)
価格変動リスク:債券の価格は、金利の変動等により上下しますので投資元本を割り込むことがあります。また、債券発行者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込んだり、その全額を失うことがあります。一方、債券によっては期限前に償還されることがあり、これによって投資元本を割り込むことがあります。
債券発行者の信用リスク:市場環境の変化、債券発行者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価の変化等により売買に支障を来たし、換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果投資元本を割り込むことがあります。
■為替リスク
世界各国の外貨建有価証券等に投資し、円貨ベースにした場合、その資産価値は、為替レートの変動により影響を受けることになります。為替レートは短期間に大幅に変動することがあります。したがって、為替の変動に伴い、投資資産の時価総額が下落し、投資元本を割り込むことがあります。外貨建て資産については、一般に外国為替相場が当該資産の通貨に対して円高になった場合、投資資産の価格が値下がりする要因となります。為替レートは一般に、外国為替市場の需給、世界各国への投資メリットの差異、金利の変動その他の様々な国際的要因により決定されます。また、為替レートは、各国政府・中央銀行による介入、通貨管理その他の政策によっても変動する可能性があります。
■カントリー・リスク
外国証券への投資では、当該国・地域の政治・経済および社会情勢の変化により金融・証券市場に混乱が生じた場合、または外国人投資に対して新たな規制または税制が導入された場合等に、投資価格が予想以上に大きく下落したり、運用方針に沿った運用が困難となる可能性があります。この結果、投資資産の時価総額が下落し、投資元本を割り込むことがあります。
また、投資資産の投資対象がエマージング・カントリー(新興諸国・地域)である場合には特有なリスク(政治、社会、経済情勢の急激な変化の可能性、情報開示制度および規制制度の未整備、外国人投資に対する投資規制または外国への送金規制等の導入等)があります。
■デリバティブ取引のリスク
デリバティブを利用する場合、ブローカーや取引の相手方の破産等が生じた場合に、取引の中断、債務不履行、一括清算、証拠金の返還の遅延もしくは不能等が起きる可能性があり、これにより当該投資資産が悪影響を被ることがあります。また市場価格が予想とは反対の方向に変化したときには、短期間のうちに差し入れまたは預託した証拠金の大部分またはそのすべてを失うこともあります。その損失は証拠金の額だけに限定されず、不足額が発生したときは、証拠金の追加差入れまたは追加預託が必要となります。
デリバティブの運用には、ヘッジする商品とヘッジされるべき資産との間の相関性を欠いてしまう可能性、流動性を欠く可能性等様々なリスクが伴います。これらの運用手法はヘッジ目的のみならず投資収益を上げる目的でも用いられることがありますが、実際の価格変動が見通しと異なった場合には、損失を被るリスクを伴います。
有価証券等への投資に係る手数料・報酬等について
当社が行う金融商品取引業(投資運用業、投資助言・代理業)に係る手数料・報酬等は、締結される契約の種類や契約資産額により異なります。例えば、投資一任契約や助言契約の場合には投資顧問報酬がかかります。また、投資信託のご購入の場合では、申込手数料や信託報酬がかかります。投資対象が投資信託等の場合には、その信託報酬等がかかることがあります。したがって、本資料には手数料・報酬等の種類ごとの金額およびその合計額またはこれらの計算方法について、具体的に表示することができません。
※リスクや手数料・報酬等の詳細については、契約締結前交付書面や目論見書等にてご確認ください。
当社の商号、金融商品取引業者としての登録番号等
- 商号:ユービーエス・UBSグローバル・アセット・マネジメント株式会社
- 登録番:金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第412号
- 加入協会:社団法人 日本証券投資顧問業協会、社団法人 投資信託協会、日本証券業協会

